• TEL : 03-6869-4327
  • 〒103-0027
    東京都中央区日本橋2-2-3
    RISHEビル UCF4F

専門コラム 「週間ルーセント通信」 第46話 中小製造業が目指すべきマーケティング業務

モノづくりに関わる中小企業の方とお話すると、よくこんなことを口にされます。
「うちにはマーケティングの専任部隊も担当者もいないんですよ」
しかしよくよく話を聞くと、そういった会社の多くは新商品開発もしているし、
新規の顧客を獲得しながら、売上も伸ばしています。
マーケティングなんかしていなくても、きちんとビジネスを拡大していると
いうことです。

どういうことでしょうか?
マーケティング活動は不要ってことでしょうか?

実はこれ、マーケティングなんかしていないとは言いつつ、意識せずに
マーケティング業務を行っているのです。実際に行っている人は、それが
マーケティング活動だとはっきり認識していないだけのこと。

例えば
- 市場と自社の強みを捉えて、ターゲットを絞るのは、社長。
- 販促用の技術資料を作るのは、設計エンジニア。
- ターゲット顧客のレベルや用途ごとの説明は、営業。
そうすると、一見マーケティング部隊はいなくてもビジネスは回るし、
マーケティング業としてもそれなりに機能しているように見えます。

おそらく、このような体制、運用をしている中小製造業社は多いのではないか
と思います。
では、このままでいいのでしょうか?
マーケティングは社長やそれぞれの部署の担当がすれば、新製品や新しい用途に
技術が広がっていくのでしょうか?

私の考えは、YESそしてNOです。

まず、YESについてです。
私は中小の製造業において、技術の用途を広げてビジネスを拡大するためには、
マーケティングは不可欠だと思います。しかし、経営資源が限られている
中小企業で、マーケティング専属の部隊をつくったり、それ専任の担当者を
雇ったりすることは、必ずしも必要とは思いません。
方向性は社長や経営陣が決める、技術的な資料はエンジニアがまとめる、
商品説明は営業が行う。それで何ら問題はないと思います。

では、NOはどういう点でしょうか?
最も考えなければならないのは、仕組み化です。
つまり、社長が「うちはマーケティング専任を置かないかわりに、
マーケティングの業務は、どういう考え方に基づいて、だれが何を行う、という
仕組みができているかどうかでしょう。

例えば、現状ではエンジニアのAさんがわかりやすく技術を噛み砕いて説明する
資料を作ってくれている。それを営業のBさんが、新規開拓にはこの図面で
こう話すとか、切り替えを勧める会社にはこの資料でこれを見せる。
これで現状はうまく運用できているようなケースです。

残念ながら、これはいずれも属人的な手法です。Aさんがいなくなったら、
他のエンジニアでも同じレベルのことが出来るのでしょうか?
営業のBさんが他社に転職したら彼のノウハウはだれか引き継ぐのでしょうか?
これがNOたる所以です。

これが仕組み化できていれば、経営陣、技術部隊、営業チームがそれぞれどんな
マーケティング業務をすべきなのかを、きちんとマニュアル化することができます。
誰が行なっても同じレベルのアウトプットが出るようにできます。
結果として、一連の流れとしてマーケティング活動をすることが出来て、
技術の広がりを期待できるようになるのです。

この仕組み化ができていれば、当初の質問の答えは、YESそしてYESになります。
社長もマーケティング業務の見直しとその仕組みづくりを考えてみませんか?