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専門コラム 「週間ルーセント通信」 第43話 用途開発を自社で行う際のポイント

製造業には、サプライチェーンの一部を担う部品や加工技術を売りにしている
メーカーから、最終製品の組み立てを担うメーカーなど様々です。
中には素材や部品に強みを持つ会社が、そのコア技術を使った応用製品の
開発までも、自社で行うケースがあります。

これには2通りの考え方があり、それに応じた取り組み方をはっきりと分ける
必要があります。
1つは、コア技術を売るためのツールとして、その技術を使った応用製品の
開発をするケース
もう1つは、応用製品を自社の製品として市場に投入するケースです。

この2つのどちらを目的にするかによって、マーケティング戦略が変わってきます。

前者の場合に認識しなければならないのは、あくまでもその開発はコア技術を
売り込むためにツールの開発であること。それで利益を取ろうと考えては
いけないし、場合によっては無償貸出や格安での提供を検討するくらいでないと
いけません。

「うちの技術をこう使えば、こんな価値を見いだせます。例えばこれですから
評価してみてください」と示すようなモノ、触れるモノです。
ですから、次のような点を考慮する必要があります。

- 最大の性能、特徴が出せる構成
- コア技術の価値や効果が体験できること
- 実際のユースケースに最適化できていなくても良い
- それを参考にして、顧客が最適化した商品を設計する為に必要な情報を含む

これらのポイントを考慮した上で、そのための情報コンテンツを用意します。

後者の場合には、その応用製品で事業が成り立つかどうかの判断をしなければ
なりません。
ですから、考慮するポイントはこのような点です。

- その応用製品の市場規模、競合などのマーケット調査
- 量産体制やアフターサービスまで整えることを考慮
- 市場投入のタイミング
- 外注やパートナーとの連携

そして、そのための情報コンテンツを準備します。

この2つの違いをきちんと見極めないまま自社で用途開発に足を踏み入れて
しまうと、マーケティングもチグハグなことになりかねません。
もちろん、予想外のフィードバックを得られることもあるかもしれませんが、
無駄にコストを消費してしまったり、想定以上にリソースが取られて回らなく
なってしまうケースのほうが可能性は高いでしょう。

ただ、どちらの考えでも共通して考えなければいけないのは、
どう情報発信をするか、つまりマーケティング戦略です。2つのケースでは
見せるためのコンテンツの作り方や見せる対象が違いますので、そこは
しっかり考える必要はありますが。

経営資源が限られている中小企業であれば、自社で用途開発をする場合は
前者のケースにとどめておくのが得策です。それでも後者の選択を取りたい
のであれば、信頼のおけるパートナー企業を探してコラボレーションすることや、
事前にきっちりと市場調査をしてマーケティング戦略を組み立てることをお薦めします。