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専門コラム 「週間ルーセント通信」 第47話 コンペティティブ・インテリジェンス

自社の技術を売るマーケティング活動で、一番初めにすることで、かつ最も大切なことは何でしょうか?
それは、その技術について、すべてを正しく理解・認識する事です。
特に自分で考案した技術や長期間に渡って小さな改良を重ねてきた製品などの場合、
どうしても思い入れがあるせいか、過大な評価をしてしまうことがありがちです。
しかし、あくまでもその技術なり製品なりを最終的に評価するのは、その使い手、
ユーザーです。ですから、作り手の思いでの認識や評価とは別に、ユーザーが
その技術をどう認識するか?その製品をどう評価するか、を常に念頭に置く必要があります。

実際に技術を認識、評価する際には、絶対的な評価の仕方と相対的な評価の仕方という2つの
見方があります。そのうちの相対的な評価について解説いたします。

相対的評価というと堅苦しき聞こえますが、競合分析と言い換えるとわかりやすいかと
思います。欧米では、インテリジェンスとか、コンペティティブ・インテリジェンスと呼び、
それを研究する学会があるほどです。

この相対的評価、わかりやすく言えば、似たような技術・製品と比べていいのか悪いのかを
評価することです。ただ、公平さを保ちながら複数の技術を同じ土俵で比較するというのは、
意外と難しいことがあるので注意が必要です。
他にもいくつか留意すべきポイントがあります。

そのポイントの一つ目は、自社の技術が優れている点を、最大のパフォーマンスが出るような
環境でデータをとることです。自社のデータをよく見せるのは当然のことです。
データの捏造はいけませんが、自社の技術が最大の性能を出せる環境で競合技術と比較測定する
のはいいやり方です。
そしてそのデータの違い、性能の違いがこんなにあるから、ウチの技術はスバラシイ、
とするだけでは物足りません。
ユーザーが利用するときには、どういう形で認識出来るのかに翻訳する必要があるのです。
例えば、「競合に比較して精度が1%高いので、選別にかかる工数を10%削減できます」と
いったようにです。

ポイント二つ目は、比較する際の客観性と再現性をきっちりと担保することです。
競合会社が同じように競合分析をした時に、条件が同じであれば同じ結果が出ないと、
おかしな評判が立ったりします。技術を評価するのですから、再現性は常に意識しましょう。

ポイント三つ目は、あくまでもユーザー目線で、ということです。
一つ目のところでもありましたが、例えば他社のデジカメに比べて30万画素多いとか、
動作周波数が競合に比べて1ギガヘルツ速いです、というのはメーカーの言い分であって
それがユーザーにどんな価値があるのか見えません。
利用者が具体的にどう感じるか、どんなメリットが有るか、に翻訳する必要があります。
「印刷時に10倍拡大してもボケません」とか、「特定の演算処理にかかる時間が30%減ります」
のようにユーザーが得られるメリットで比較するのが重要です。

このようなポイントに留意すれば、他の技術や製品と比較する競合分析は
マーケティングツールとしては使い勝手がいいものですし、聞き手にもわかりやすいものです。

社長の技術もぜひ競合分析で自社技術を上手に見せてください。