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専門コラム 「週間ルーセント通信」 第12話 技術や製品の価値を翻訳するとは?

年内最後のコラムです。

製造業者が自社の技術や製品を拡販する際には、
大前提としてその技術を正しく評価することが必須です。
この場合の評価の仕方には、
大きく分けて2つの視点があります。
それは、絶対的な評価と相対的な評価です。

絶対的な評価というのは、カタログスペックに
代表されるものです。
性能であったり、精度であったり、
技術そのものについて、それがどれだけ優れているのか、
を評価するものです。

もう一方の相対的な評価は、
ライバル社が持つ似たような技術や、
市場にすでにある既存技術と比較してどうなのか?を
評価するものです。
どちらの場合も、大切なのは評価の客観性と、
その評価結果を技術を使うユーザー目線の価値として
翻訳出来るか、ということです。

今回は相対的な評価を取り上げて、解説いたします。
相対的な評価は、一般に競合分析とも言われる手法です。
その技術についてある程度知識を持っていたり、
あるいはすでに利用しているような場合には、
聞く側からしても違いが想像しやすく、
評価しやすいものです。

そのため、既存技術の置き換えを狙うような拡販方法の際に
使っている方も多いことと思います。
気をつけなければならないのは、
その技術を使う人のための翻訳をしているかどうかです。
というのも、ついつい作り手側の思いが先走って、
翻訳を怠るケースが多いからです。

例えば、ある半導体チップで低消費電力が特徴だったとします。
A社の製品は20mW、あなたの会社が持つ技術を盛り込んだ製品は、
半分の10mWです。

この時ありがちなのは、
「当社の◯◯技術を使うことで消費電力を
半分にすることが出来ました」と
評価をそのまま謳ってしまうことです。

言われてみればわかると思いますが、
これは作り手側の理屈で、数字としての評価
でしかありませんよね。
では、この低消費電力のチップを使うと、
ユーザーにはどんなメリットがあるのでしょうか?

実際に使う場面を想定して翻訳すると、こうなります。
「当社の◯◯技術を使ったことで消費電力が減り、
従来の放熱設計がぐんと楽になります」
いかがでしょう?
これは実際にユーザーが享受できる利点を訴えています。

さらに、使用条件を特定して具体的な数値として、
どれだけ設計工数を減らせるかを示すことで、
客観的なデータになります。

このように、技術や製品を評価分析するときには、
一歩踏み込んでユーザー目線の価値として
翻訳することが必要です。

もう1つの注意点として、特に中小の製造業者に
心がけてもらいたい点があります。
それは、ユーザー目線だからといって、
その技術や製品自体の価格を比較しないことです。
なぜでしょうか?

それは、価格で優位に立ってビジネスを獲得する
ということは、技術を評価されたのではないからです。
競合が価格を下げれば、取られてしまうだけであり、
不毛な価格競争に陥るからです。
中小企業であれば、そこに踏み込むのは
得策ではありません。
はじめから、価格を評価アイテムに
すべきではないでしょう。

あなたもぜひ、自社が持つ技術や製品を
正しく評価して、ユーザー目線の価値として
翻訳するクセを付けることをオススメします。
用途開発を広げる第一歩です。