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専門コラム 「週間ルーセント通信」 第26話 中小企業の後継者難への私見

今、日本では製造業だけでなく全ての業種において人材不足、人手不足が叫ばれています。
中小企業はというと、社長の高齢化による後継者不足に悩む会社が後を絶たないそうです。
東京商工リサーチによると、後継者難などで毎年3万件の企業が休業や廃業、解散しているそうです。
企業が黒字で運営できているにも関わらず、です。

そんな中、先日ある新聞記事を目にしました。
埼玉県である特殊技術を考案して事業化、1989年に会社を興した創業社長の悩みです。

その技術については特許も取得し、製品は全て大手メーカーが買い上げるそうで「この製品は営業する必要がないんです」という程、恵まれた製品をお持ち。
しかも製品の需要は増加傾向という、優良経営をしている会社です。
しかし、その社長の悩みが、自社の将来を任せる後継ぎがいないということ。
10年ほど前から取引先企業に頼んで、優秀な社員を後継候補として何人か送り込んでもらっていたけれども、どの候補者も定着しなかったそうです。いわく、

  • 中小企業の社長は、営業から開発、製造まで、細かく把握する必要がある。
  • 社長は住宅だけでなく、土木、金属、食品、化学繊維など幅広い取引先から細かい悩みを聞き、独自の技術提案をして商機につなげてきた。
  • 同じことを後継者が務めるのは簡単ではない。

言われてみれば、何となくわかる気はします。
しかし、あえて批判を覚悟で申し上げるならば、これは後継者というより、社長のコピーを探しているように思えてなりません。
現社長からすれば、自分と全く同じパフォーマンスが出来るコピー人間がベストで、その人に経営を任せれば安心だという思いが強いのでしょう。

しかし、本質的な目的は企業の存続と持続的な成長であるべきです。
その目的を達成するための戦略として、今までは社長が営業から開発、製造まで目を配り、幅広い取引先から細かい悩みを聞き、独自の技術提案をすることが有効だったのでしょう。

であれば、別の社長が全く違った戦略で同じ目的に向けて会社を経営することがあってもかまわないのではないでしょうか。
全てを自分で行うのではなく、右腕とも呼ばれる部下を育てて権限を分散するという手もあります。
そういった人材が育っていけば、後々になって後継者不足に悩むということはなくなるでしょう。
中小企業といえども会社を成長させていくには、必要な施策ではないでしょうか?
自分と全く同じやり方を強いて、自分と同じかそれ以上の結果を求めるには無理があります。

いつまでも自分のコピーを探すだけでは、黒字の廃業も避けられないと思います。
社長、あなたのお考えはどうですか?