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専門コラム 「週間ルーセント通信」 第27話 「中小企業の底力・魅力発信プロジェクト」とマーケティング

私が提唱している用途開発誘起戦略で要となるのは、技術の本質をわかりやすく”見せる”ことです。
先日の新聞記事で、この”見せる”に関連した記事がビジネスアイ紙にありました。
それはこういう内容です。

東京商工会議所が都内の大学や専門学校4校と連携し、学生による「中小企業の底力・魅力発信プロジェクト」を始めた。
各校の学生が都内の中小企業をビデオカメラなどで取材。約45万社あるとされる東京の中小企業の姿を世界に発信する。

という記事でした。
実際にはこの中小企業とは、中小製造業を意味しているようで、世界に誇れる優れた技術やサービスを持つ企業が少なくないにも関わらず、その存在が時代を担う若者に認識されていない、としています。
私がこの記事を読んで感じたことが、2点あります。
もちろん、どちらもマーケティングの視点から見たポイントです。

1つ目は、このプロジェクトの意義です。

技術を学んでいる工学系の学生が、実際にものづくりの中核を担っている中小製造業の企業に出向いて、現場を見、経営者や職人から話を聞く。
そして自分の中でそれらの情報を咀嚼して発信する、というのは学生にとっては非常に意義があることと思います。

特に実社会のものづくりに関わらないと、一つ一つの部品や加工工程が全体の中でどういう役割を持っているのかが見えにくいですから。
中小企業が持つ技術を点としてだけではなく、線としてあるいは面として捉えること。
それを正しく咀嚼できると、全体の中の部品一つの精度の大切さなどがわかるようになります。
学生にはぜひ、表面的なことではなく技術の本質をみつけて発信してもらいたいと思います。

また企業側でも、ある意味その技術の素人に対して、メリットをわかりやすく説明するプロセスは、あらたな気づきがあるはずです。
そういった意味では、受け入れる企業側にもメリットが有るでしょう。

2つ目は、「時代を担う若者に認識されていないこと」に対する考えです。

世界に誇れる優れた技術があるにも関わらず正しく認識されていないのであれば、それはマーケティング力が弱いといえます。
しかし、正しく認識してもらいたい相手は、第一義的にはその技術のユーザーや、ユーザー予備軍の企業であるべきです。

もちろん大企業でマーケティングにかける人材も予算もふんだんにあるのであれば、一般社会や学生向けに情報発信することも大切でしょう。
しかし、このプロジェクトの趣旨にある町工場のような中小製造業の場合は、まずはユーザーや予備軍に対する情報発信にリソースを割くべきです。

結果として次世代を担う若者に認識されていない、という自体になっても仕方ないことと思います。
むしろこのプロジェクトに積極的に参加するような意欲的な若者の方から、これをきっかけにして、中小企業が持つ技術に興味をもって自ら深掘りしていったり、就職先として検討するような動きになるのが、理想形でしょう。

皆さんはどう思いますか?