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専門コラム 「週間ルーセント通信」 第41話 横展開で失敗しないために

簡単に自社技術や製品の用途を拡大する方法の1つに、横展開があります。
すでに活用されている経営者の方も多いと思います。
既存顧客と同じような製品を作っている企業へアプローチする、
または既存ビジネス業界内でまだ取引がない会社に提案営業をかける、
という方法です。

ターゲットとなる会社も見つけやすく、営業もかけやすいというメリットが
あります。同時に、注意しなければいけないポイントもあります。
一つやり方を間違えるだけで、横にビジネスを広げるどころか、元々の
ビジネスまで失ってしまうことになりかねません。

今回は横展開について解説いたします。

まず横展開の基本的な考え方を確認しましょう。
ある顧客A社が、あなたの会社が持つ技術を使ってモジュールを作り、
メーカーB社に納入していたとします。
A社は、あなたの会社が持つ技術、具体的には高密度実装技術を高く
評価しているとします。

このA社は、幾つかの部品を使って、ごく小さなモジュールを製造
することを得意とするメーカーです。
この場合の横展開というのは、どういうことでしょうか?

基本は、A社と同じようにモジュールを作っている企業に対して、
あなたの技術の売り込み提案をすることです。早い話、A社の競合会社に
売り込みをかけることになります。
営業担当は、「A社でもすでに採用されています」といってA社の競合C社に
提案をするでしょう。
C社からは「A社で採用しているなら、実績として申し分なし」と思惑通り
C社にもあなたの技術が評価され、採用が決まりました。

新規ビジネスが一つとれたと喜んだのも束の間、B社はモジュールの
サプライヤーをA社からC社に切り替えてしまいました。

さて、あなたは経営者としてこの状況をどう考えますか?
横展開をしたところで、プラスマイナスゼロ。
B社のボリュームが変わらなければ、ビジネスとしての旨味もありません。

このケースでは、横展開をする前にまずしなければならなかったことがあります。
その一つ目は、業界全体の市場規模とプレイヤー、製品の流れを把握して
マーケティング戦略を作ることです。

このケースなら、少なくともA社とB社が関わるビジネスとその周辺プレイヤーを
調査する必要がありました。
その上で、まずA社に対しては、B社に納入するモジュール以外にも
あなたの技術を使う事ができないかを探ります。
A社の中での横展開を狙うわけです。そのためには、すでにある用途で
使っているあなたの技術を、少し違う切り口の見せ方をする必要があるでしょう。

二つ目は、A社の競合ではなく、B社(この場合はメーカー)の競合を特定し、
そこにモジュールを納入している企業にアプローチすることです。
そうすることで、より大きな市場での用途開発を拡大することが出来ます。

この場合の見せ方としては、A社の使い方をダイレクトに紹介するより、
それを一般化して見せたほうが、使いみちをイメージするには得策でしょう。
また、A社の守秘義務に関わるようなことがあっても困りますから。

このように横展開と一言で言っても、市場全体を見てマーケティング戦略を練り、
その上でそれぞれのターゲットに最適な見せ方を考える必要があります。