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専門コラム 「週間ルーセント通信」 第24話 暗黙知を見える化、マニュアル化して仕組みづくり

今月は東日本大震災が起きた11日を中心に、様々なイベントが行われたり特集番組が放送されたりしていました。
その中で印象的だったのが、原発事故に対応する職員の方々が使っていた分厚い事故対応マニュアルです。
私も過去に技術設計に関わる仕事をしていたので、マニュアルの大切さや有益性については、十分に認識しています。
一般に技術者と呼ばれる人たちは、みな同様かと思います。
技術の分野では常に実験やシュミレーションで製品や技術が出来るまでの過程を重視し、それをマニュアルにしています。

では、営業はどうでしょうか?
こちらは過程よりもどちらかというと結果を重視しています。
こういうセールストークだと成約率が何%とか書かれた営業マニュアルを使っている人もいるかと思います。

それではマーケティングはどうでしょう?
おそらくマーケティングとなると?ですよね。
今回は私が外資系企業で見てきた、そして自分でも使ってきたマーケティングのマニュアルについて簡単にご紹介します。

まず、マニュアルの目的や役割について皆さんはどう考えていますでしょうか?
何かのやり方や方法について、この場合はこう、そのときにはこれをこうして。と、細かく案内しているのがマニュアルですよね。
これは次のように言い換えることが出来ます。

その技術や方法について知見を持つ人の頭の中にある知識、暗黙知を「見える化」して、誰でも同じようにそれを利用できるようにする。
そしてこれを文書やマニュアルとして整えて「仕組み化する」ことである。

このようにマニュアル化をすることで、様々なメリットがあります。
まず、頭のなかにある知識を「見える化」して文書化する過程で、新たな気づきがあります。
その人が無意識に想定していたものがあったり、見落としていなかった事を指摘されたりすることがあるからです。
そのために技術者の間では常にデザインレビューを繰り返し行います。

そしてマニュアル化することで、属人的な要素から解放されます。
この技術はあの人しか使えないとか、この人が辞めたら運用はできなくなる、といった心配がなくなります。
つまり引き継ぎや更新が出来るようになります。

では、マーケティング業務でのマニュアル化、見える化とはどういったものでしょうか?わかりやすい例で考えてみましょう。
あなたの会社が新製品を開発中です。今までにない新しい技術を採用しています。
社長であるあなたは、この新製品をどのように市場に投入しますか?つまり、

  • 告知をどうするか?
  • 先行ユーザーを探すのか、一斉販売か?
  • ターゲットユーザー、会社をどう決めるか?
  • 資料として何を準備するのか?
  • デモ機は?何をどこまで見せるか?
  • プレスリリースはどのタイミングで打つか?
  • 営業へのトレーニングは?
  • 販売計画は?
  • アフターサービスは?
  • ウェブサイトへの掲載は?
  • などなど、準備することは山ほどありますね。

現状、その都度考えて対応しているなら、マニュアル化することで、工数はぐっと減らせますし誰でも対応出来るようになります。
そしてそれを繰り返していくうちに、ここはこうすべきとか、このタイミングはもう少し早く、などマニュアルを磨き上げていくことも出来るようになります。

このように、マーケティングに関わることもマニュアル化することで仕組み化出来ますし、専任担当を置かなくてもスムーズに対応出来るようになります。
いままでうまく行っていた新製品リリースに関して、マニュアル化することが第一歩になります。
あるいは、その際に良い働きをした人がいたのであれば、その人の頭のなかにある暗黙知を見える化することも近道でしょう。