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専門コラム 「週間ルーセント通信」 第45話 コア技術の価値を伝える時のポイント

マーケティング活動として、メーカーが自社の技術や製品について
情報発信をする際には、まずはその技術の価値を正しく評価する
ことが必須です。
この場合の評価方法には、大きく分けて2つのポイントがあります。
それは、絶対的な評価と相対的な評価です。

一つ目の絶対的な評価というのは、わかりやすく言えばカタログ
スペックです。性能であったり、精度であったり、技術そのものについて、
それがどれだけ優れているのか、を評価するものです。

もう一つの相対的な評価というのは、競合他社が持つ似たような
技術や、市場にすでにある既存技術と比べてどうなのか?を
評価するものです。

どちらの場合も、大切なのは評価の客観性と、その評価結果を技術を
使うユーザー目線の価値として「翻訳」出来るか、ということです。

例えば、相対的な評価について考えてみましょう。
相対的な評価は、一般に競合分析とも言われる手法です。
その技術についてある程度知識を持っていたり、あるいはすでに利用
しているような場合には、聞く側からしても違いが想像しやすく、
評価しやすいものです。そのため、既存技術の置き換えを狙うような
拡販方法の際に使っている方も多いことと思います。

気をつけなければならないのは、その技術を使う人のための「翻訳」
をしているかどうかです。
というのも、ついつい作り手側の思いが先走って、翻訳を怠るケースが多いからです。

例えば、ある半導体チップで低消費電力が特徴だったとします。
A社の製品は20mW、あなたの会社が持つ技術を盛り込んだ製品は、
半分の10mWです。
この時ありがちなのは、「当社の◯◯技術を使うことで消費電力を
半分にすることが出来ました」とカタログスペックの評価をそのまま
謳ってしまうことです。
言われてみればわかると思いますが、これは作りて側の理屈で、
数字としての評価でしかありませんよね。

では、この低消費電力のチップを使うと、ユーザーにはどんなメリットが
あるのでしょうか?実際に使う場面を想定して翻訳すると、こうなります。
「当社の◯◯技術を使ったことで消費電力が減り、従来の放熱設計が
ぐんと楽になります」
いかがでしょう?これは実際にユーザーが享受できる利点を訴えています。

さらに、使用条件を特定して具体的な数値として、どれだけ設計工数を
減らせるかを示すことで、客観的なデータになります。

このように、技術や製品を評価分析するときには、一歩踏み込んで
ユーザー目線の価値として翻訳することが必要です。
もう1つの注意点として、特に中小の製造業者が心がけなければならない点
があります。それは、いくらユーザー目線だからといっても、その技術や
製品自体の「価格」を比較しないことです。

なぜでしょうか?
それは、価格で優位に立ってビジネスを獲得するということは、
技術を評価されたのではないからです。競合が価格を下げれば、取られて
しまうだけであり、不毛な価格競争に陥るからです。
中小企業であれば、そこに踏み込むのは得策ではありません。
はじめから、価格を評価アイテムにすべきではないでしょう。

あなたもぜひ、自社が持つ技術や製品を正しく評価して、
ユーザー目線の価値としてわかりやすく翻訳してみてください。
それが、用途開発を広げる第一歩になります。