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専門コラム 「週間ルーセント通信」 第8話 価値の捉え方にもいろいろあります

製造業者がお客さんに自社の技術や製品を提案するときに最も大切なこと、
それは”価値”を正しく伝えることです。
頭では理解したつもりでも、実際に現場で行われていることは
全然違うということが少なくありません。
何が違うのか。それは、「価値」の捉え方です。

製造業における価値というのは、
その技術を使うことだったりその製品を組み込むことによって、
利用者がどんなメリットを得られるか、
どういう技術的な課題を解決できるかということです。
利用者というのは、この場合はあなたの技術や製品を
買ってくれるお客さんです。

そしてもう1つ注意すべきことがあります。
それは、人それぞれ価値観が違うように、
企業もそれぞれ価値観が違うということです。
ですから提案の仕方や技術の見せ方も、
そのお客さんごとに変えてやる必要があります。
これを間違うと、どのお客さんにも同じ製品カタログと
共通のプレゼン資料とかで製品紹介をしたりしてしまいます。

これでは新しい用途や製品にあなたの技術や製品を使うイメージも
湧いてこないでしょう。

私が関わった半導体の例で解説してみます。
半導体チップというのは、基本それ単体(自社のチップ1つだけ)で
最終製品としての機能を実現することはありません。
他のICチップや受動部品など、
様々な機能をおこなう部品と組み合わせて使用します。

ですから、お客さんもモジュールメーカーだったり
セットメーカーだったりするわけです。
いわゆるB2Bビジネスです。
当然、各社こだわりや強みがあり、価値観が違います。
同じ半導体チップを提案するにも、価値観によって見せ方を変える必要があります。

例えば、A社は自社ブランドをもって最終製品を展開をしている
メーカーだとします。
つまりこの会社は、最終製品の仕様を自社で決めています。
仕様を自社で決めるお客さんの価値とは、何でしょうか?

それは、「こういうことをしたいけど、何をどう使えば実現できるか?」
という課題に答えを提供することです。
とにかく長時間音楽を再生できるプレーヤーを作りたいお客さんには、
自社のICチップを使うことで出来る機能、
例えば消費電力が少ないから30日間充電しなくても使える
音楽プレーヤーが出来ますよ。
みたいに仕様を実現できることをデータとともに見せます。

B社は同じ音楽プレーヤーでも、OEM製品を作っています。
彼らは発注元から提示された仕様に基づいて、最終製品を納入します。
彼らの価値は、少ない工数で安定して動作するための設計方法や
周辺部品の選び方まで面倒見てくれるかどうかなのです。

当然、見せるべき情報は、A社のものとは違いますよね。
こういう部品を使ってこう配線をすれば、
間違いなく安定して動作します。
と周辺の回路図をつけて見せるのが価値になります。

このように、提案先の価値観を把握し、
見せる情報を最適化させることが、
先方の用途開発にはずみをつけることにつながります。

御社はお客さんの価値を正しく捉えていますか?