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専門コラム 「週間ルーセント通信」 第11話 横展開のメリットと注意点

自社が持つ技術や製品の応用範囲を拡大する方法の1つに、横展開があります。
ある意味、わかりやすい方法であり、営業もかけやすいメリットがあります。
と同時に、注意すべきこともあります。
やり方を間違えると、横に広げるどころか、
元々のビジネスまで失うことになりませんので、
今回は横展開について解説いたします。

まず横展開の基本的な考え方です。
ある顧客A社が、あなたの会社が持つ技術を使ってモジュールを作り、
メーカーB社に納入していたとします。
A社は、あなたの会社が持つ技術、ここでは高密度実装技術を
高く評価していると考えます。
幾つかの部品を使って、ごく小さなモジュールを製造することを
得意とする企業です。

ここでの横展開というのは、どういうことでしょうか?
基本は、A社と同じようにモジュールを作っている企業を特定して、
売り込み提案をする方法でしょう。
思いつくのは、A社の競合に売り込みをかけることです。

営業担当は、「A社で採用されている技術です」と言って
競合のC社に売り込み提案をするでしょう。
仮にC社でも「A社で採用しているなら、スバラシイに違いない」と
思惑通りC社にもあなたの技術が評価されたとします。
しかし、採用が決まり1つ用途が広がったと喜んだのも束の間、
B社はモジュールのサプライヤーをA社からC社に切り替えてしまいました。

さて、あなたはこの状況をどう見ますか?
横展開をしたところで、プラスマイナスゼロ。
B社のボリュームが変わらなければ、ビジネスとしての旨味もありません。

ここですべき注意点としては、業界全体の市場規模とプレイヤー、
製品の流れを把握してマーケティング戦略を作ることです。
このケースで言えば、少なくともA社とB社が関わるビジネスと
その周辺プレイヤーを調査する必要があります。

その上で、まずA社に対しては、B社に納入するモジュール以外にも
あなたの技術を使う事ができないかを探ります。
A社内の横展開を狙うわけです。
そのためには、すでにある用途で使っているあなたの技術を、
少し違う切り口の見せ方をする必要があるでしょう。

次に狙う横展開は、A社の競合ではなく、B社(この場合はメーカー)の
競合を特定し、そこにモジュールを納入している企業を狙います。
そうすることで、より大きな市場での用途開発を拡大することが出来ます。

この場合の見せ方としては、A社の使い方をダイレクトに紹介するより、
それを一般化して見せたほうが、使いみちをイメージするには得策でしょう。
また、A社の守秘義務に関わるようなことがあっても困りますから。

このように横展開と一言で言っても、市場全体を見てマーケティング戦略を練り、
その上でそれぞれのターゲットに見せ方を考える必要があります。
経営者の方は、営業に横展開を指示する際には、十分ご注意を。